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事業内容

「ヒト細胞を用いた移植組織、製品の開発」新会社設立のお知らせ

株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
1999年 2月25日

株式会社ニデック(本社:愛知県蒲郡市、社長:小澤 秀雄)、株式会社INAX(本社:愛知県常滑市、社長:水谷 千加古)、 富山化学工業株式会社(本社:東京都新宿区、社長:中野 克彦)は、名古屋大学医学部口腔外科学講座教授上田実(うえだみのる) 先生のご指導のもとにヒト組織・細胞を用いた移植組織の研究開発を進め、将来の事業化を模索することに致しました。 そのため平成11年2月1日に新しいベンチャー企業を設立いたしましたのでお知らせ致します。

(新会社設立の目的・経緯)

医療の質的向上を目指した、バイオテクノロジーを核とするイノベーションに期待が集まっており、特に組織工学 (Tissue Engineering)を応用した医療技術(移植医療、細胞治療)は、遺伝子治療と共にその中核をなすものと 見なされています。 欧米においては、既に培養皮膚、培養軟骨などについてベンチャー企業が主体となり商品化が進められています。

このような中、ここに、医療の質的変化をもたらすであろうTissue Engineeringをベースに、従来型医療技術の延長にある 維持療法ではない、組織再生による根本治療を目指す新しいベンチャー企業を設立いたしました。

ヒト組織・細胞の企業化計画の発端は、平成9年6月、愛知県の(財)科学技術交流財団(小坂岑雄、新技術コーディネーター)が 主催の、名古屋大学医学部上田教授を座長とした「臓器工学研究会」での企業化計画であり、これに愛知県下の企業、さらに 製薬企業、ベンチャーキャピタルの参加が決まった次第です。

また、培養皮膚の研究開発計画をもとに、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(医薬品機構)に対し、研究開発資金の 融資申請を行っており(培養皮膚・軟骨・骨の研究開発について5年間、融資希望総額 9.8億円)、採用された場合は本年度 (平成11年3月)から融資が開始されます。

さらに、出資会社である株式会社ニデックは愛知県蒲郡市から「ベンチャーファクトリー支援事業」の認定を受け、同市内に 用地を取得、新会社社屋および研究所の建設(本年2月着工、8月竣工)を予定しています。

(新会社の概要)

[商号] 株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
英文:Japan Tissue Engineering Co., Ltd.
通称:J-TEC(ジェイテック)
[代表者] 小澤 秀雄(おざわ ひでお)
[設立] 平成11年2月1日
[資本金] 1億円
[事業内容] ヒト細胞・組織の培養又は加工による、又は人工素材との組み合せによる、培養皮膚・培養軟骨・ 培養骨の研究開発、その成果にもとづく製造・供給。
関連の医療用具・医薬品の設計・開発・製造・輸出入及び販売。
[株主] 株式会社 ニデック (出資割合 63.4%)
株式会社 INAX (出資割合 13.3%)
富山化学工業株式会社 (出資割合 13.3%)
東海銀行グループ (出資割合 10.0%)
(株式会社セントラル・キャピタル)
(CCニューフロンティア2号投資事業組合)
[役員] 代表取締役 小澤秀雄
取締役 大須賀俊裕、高村健太郎、藤沢寿郎、高倉勇、石川雅晟
監査役 小林一三武
[従業員] 9人
[本社] 愛知県蒲郡市浜町23番地1(株)ニデック鶴ヶ浜工場分室1階(1999年7月まで)
愛知県蒲郡市三谷北通6丁目209番地の1(1999年8月以降)
TEL:0533-66-2020
[決算月] 3月

(社会倫理、安全性の確保について)

ヒト組織・細胞を用いた製品の開発は、倫理面、安全面について充分留意するべきものであり、今回の計画はヒト組織採取 医療機関として名古屋大学医学部を予定していることから、同学部倫理委員会で、倫理面、安全面について協議しています (平成11年1月26日、口腔粘膜片の研究目的に限定した医学部外へ提供を承認)。
今後、臨床応用についても同倫理委員会へ申請し、安全性の確保等について審議を受ける予定です。

培養皮膚・軟骨・骨の研究開発資金の融資を申請している医薬品機構に対しては、安全性の確保に加えて、組織・細胞を 採取する際の説明と同意、無償提供、倫理委員会の設置、情報の保護と公開など倫理面に関する留意事項をまとめたジェイ テックの基本方針等を提出し、審査を受けています。

また、社内においても倫理委員会を設置し、委員の半数以上を社外の弁護士、報道関係者、学識者、専門家として、 倫理面、安全性面での審査、監督を行う予定であり、組織・細胞の収集・提供の実施状況の情報公開に努めます。

さらに、国内で学会、専門家などから広く安全性についての情報を収集するとともに、アメリカおよびヨーロッパに おける当該学術情報、安全性情報についても、出資会社である株式会社 ニデックの海外法人 Nidek Technologies Inc. (California, USA)、Nidek Societe Anonyme(Paris, France)などから収集する予定です。

(事業計画の概要)

  1. 予定している事業化の時期

    自家培養皮膚 :平成14年頃
    自家培養軟骨 :平成16年頃
    他家培養皮膚 :平成17年頃
    自家培養骨 :平成23年頃

  2. 販売計画と販売体制

    販売目標は平成16年(5年目)で3億円、平成21年(10年目)40億円を目指します。
    当初、愛知県下、東海エリアで製品の供給を開始し、順次全国展開を目指します。

(参加企業のメリット)

株式会社ニデックのメリット

ニデックは創業以来27年間、事業領域を「眼」という分野に絞って展開してきましたが、21世紀突入に際し、 新しい事業ドメインを「眼と身体」として、大きく成長する事業領域での展開を考えています。 既に、新規事業として皮膚科分野や、富山化学工業株式会社との提携により眼科医薬品分野に進出をしています。
このTissue Engineeringの事業領域は、世界的に見ても大きな潜在市場であり、高齢化社会の推移とともに、大きく 成長する領域であることは疑いのないところです。ニデックはベンチャー企業としてそこにいち早く参入し、新規事業の 大きな柱として育てたいと考えています。 さらにこの事業は、社会的貢献度も大きいものがあると考えており、新市場を黎明期から立ち上げる企業の誇りは 社員へのいい意味での刺激剤になると考えています。

株式会社INAXのメリット

当社1社ではこのような事業に参画することは不可能ですが、今回、出資各社や名古屋大学などのお力を借りて、 「新分野へ踏み出せる可能性」を見出せることは、大きなメリットだと考えています。また、共同研究による技術力の 強化も考えられます。
そして、日本で初めてのTissue Engineeringの会社に参画できるという誇りを持ち、今までの当社にない形の インパクトが与えられることも大きなメリットだと考えています。

富山化学工業株式会社のメリット

ヒト細胞を培養する技術および、これを事業化するノウハウを得ることができます。このように、本事業に参加する ことにより、社会的要請の高い領域(新しい治療手段)への事業展開が望め、医薬品会社としての使命を果たすことが できます。
また、この事業を通じ、各界の多くの研究者との人的交流が得られるのも、得難い資産です。
さらに、事業化が成功したあかつきには、皮膚科領域、整形外科領域などにおいて、新しい商品を取り扱える可能性が あります。

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