薬事承認の流れ
医薬品と同様、再生医療製品の販売には厚生労働省の承認が必要です。承認取得には、有効性・安全性を確かめる治験が必要であり、J-TECではGCP基準(Good Clinical Practice 「医療機器の臨床試験の実施基準」)を遵守して患者さまの人権を尊重し、科学的に適切な治験を実施しています。その後、治験で得られたデータを厚生労働省に提出し、承認されると実用化に至ります。なお、厚生労働省は、再生医療製品の承認プロセスの一つである確認申請制度を廃止し、その代替として平成23年7月1日から薬事戦略相談制度を導入しました。薬事戦略相談制度は、日本発の医薬品・医療機器の早期承認及びドラッグ・ラグ、デバイス・ラグの解消を目的としています。具体的には、シーズ発見後のアカデミア、ベンチャー等における医薬品・医療機器候補選定の最終段階から治験に至るまでに必要な試験・治験計画策定等に関する相談を主な対象としています。
再生医療製品における薬事審査の流れ

*各種相談制度: 開発初期段階から治験、製造販売承認申請の準備段階では、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が提供する各種相談制度を活用することが推奨されています。但し、当該相談制度の活用は、必須ではありません。
基礎研究
ティッシュエンジニアリングの3要素といわれている細胞、材料、生理活性物質を一定時間、適切な環境において組み合わせることで、組織再生に関する探索的研究を行います。当該基礎研究は、日本においては、大学等の研究機関が先導しています。J-TECは、国内外における大学等の研究機関との共同研究をとおして、基礎研究を行っています。
前臨床試験
非臨床試験とも呼ばれます。基礎研究で選定されたティッシュエンジニアリングの3要素に加え、臨床における実際の移植を想定した様々な条件を、動物を用いて検討します。この過程をとおして、ヒトに移植した場合の有効性と安全性を予測します。なお、J-TECにおいては、自施設で試験を行う方法と、試験受託会社に委託する方法を組み合わせ、前臨床試験を行っています。
薬事戦略相談
確認申請制度の廃止(遺伝子治療薬を除く)に伴い平成23年7月1日から導入された制度で、開発初期段階から治験届の提出に必要な安全性及び有効性に関する事項について、独立行政法人医薬品医療機器総合機構より指導・助言を受けることができます。薬事戦略相談に先立ち、開発段階における質問事項を整理するための事前面談を行います。質問の内容によっては事前面談のみで終わる場合もあります。事前面談を踏まえ、必要な試験等について、データの評価を伴う案件に関する薬事戦略相談を行います。薬事戦略相談では、より早い段階から、関係する専門家の意見を交え、品目によっては治験プロトコル(First in Man試験 又は フィージビリティ試験)の議論も合わせて行います。
治験
前臨床試験の結果、動物での安全性や有効性が確認された製品を実際に臨床試験として患者さまに適用することにより、当該製品の安全性と有効性を評価します。治験を始める前に、治験のプロトコルをまとめた治験計画届を独立行政法人医薬品医療機器総合機構に提出し、受理された後に治験実施となります。ヒト細胞・組織利用製品における治験実施症例数は、当該治験計画届において定義されます。
製造販売承認申請
治験の結果、医療機器又は医薬品としての有用性が確認されると、厚生労働省に製造販売承認申請を提出します。前臨床試験、治験をとおして承認申請に必要なすべてのデータを纏めて独立行政法人医薬品医療機器総合機構に提出し、対象製品について厳密な審査を受けます。審査の過程では、製造業者となる企業がQMS基準 (Quality Management System 「医療機器の製造管理及び品質管理の基準」)に従った適切な製造施設・設備を保有しているか、またその運用方法が適切に行われているかについてのQMS 適合性調査が、独立行政法人医薬品医療機器総合機構によって行われます。申請書類とQMS 適合性調査の双方による審査を経て、最終的に厚生労働省から承認を取得した段階で、対象製品の製造販売が可能となります。
保険収載
日本の医療制度を支えるシステムとして、医療機関が保険診療を行う場合の診療報酬制度があります。保険の適用を希望する場合には、製造業者等は製造販売承認を受けた後に保険適用希望書を厚生労働省に提出し、審査を受けます。審査の結果、保険適用が認められることを保険収載といいます。
製造販売後対応
製造販売承認を得た医療機器又は医薬品であっても、一般的に新規性の高い製品においては、製造販売後の一定期間(注:期間は厚生労働大臣が指定する)内は、販売した医療機器又は医薬品の調査を行う必要があり、その結果を厚生労働省に報告することが義務付けられています。例えば、継続的にその使用状況に関して情報収集のための調査(使用成績調査)を実施する必要があるほか、場合によっては使用成績調査と並行して、販売している製品の安全性や有効性を再度確認するための製造販売後臨床試験の実施を求められることもあります。








