保険適用の治療:自家培養口腔粘膜上皮による治療

自家培養口腔粘膜上皮による角膜上皮幹細胞疲弊症の治療

両眼の角膜を損傷され、眼から角膜上皮幹細胞が採取できない、自家培養角膜上皮では治療が困難な角膜上皮幹細胞疲弊症の患者さまの治療に向けて、自家培養口腔粘膜上皮の開発を進めてきました。自家培養口腔粘膜上皮は、患者さま自身の口腔粘膜組織の細胞を培養してつくる自家口腔粘膜上皮由来の細胞シートです。自家培養口腔粘膜上皮を患者さまの眼に移植することによって、患者さまの角膜上皮を修復させることを目的としています。
J-TECは、大阪大学が開発した技術を導入して、自家培養口腔粘膜上皮の開発を進めてきました。2020年9月に国に製造販売承認申請を行い、2021年6月に製造販売承認を取得しました。
自家培養口腔粘膜上皮による角膜上皮幹細胞疲弊症の治療は、2021年12月1日より保険適用となりました。

角膜の再生医療

Q&A よくある質問

自家培養角膜上皮とは何が違うのですか?
自家培養口腔粘膜上皮は、自家培養角膜上皮と同じく角膜上皮幹細胞疲弊症の治療を目的としています。
自家培養口腔粘膜上皮は、患者さまの眼からではなく、口腔粘膜から組織をいただいてつくります。そのため、自家培養角膜上皮では治療が困難な、両眼の角膜の広い範囲が濁ってしまい、視力が大幅に低下した患者さまにも治療が提供できると期待されています。
自家培養口腔粘膜上皮による角膜上皮幹細胞疲弊症の治療に保険はききますか?
自家培養口腔粘膜上皮は、2021年12月1日より角膜上皮幹細胞疲弊症治療向けに保険適用となっています。
自家培養口腔粘膜上皮による角膜上皮幹細胞疲弊症の治療はどこで受けられますか?
一定の基準を満たした医療機関で治療が提供されています。ただ、自家培養口腔粘膜上皮による角膜上皮幹細胞疲弊症の治療を行うかどうかは 医師・医療機関の判断となります。詳しくは、最寄りの眼科へご相談ください。
治療費用はどの程度かかるのでしょうか?

この自家培養口腔粘膜上皮を用いた治療は高額療養費制度の対象となります。患者の自己負担額は、所得にもよりますが、月額6~25万円程度(2021年12月現在)とされています。高額療養費制度の詳細については、下記厚生労働省のホームページをご覧ください。

自家培養口腔粘膜上皮は、白内障、緑内障、円錐角膜といった眼の疾患の治療にも使用できますか?
自家培養口腔粘膜上皮による治療の適応対象(対象となる患者さま)は、「角膜上皮幹細胞疲弊症(LSCD)」と定められているため、その他の疾患の治療に使用することはできません。眼の治療に関しましては、専門の医療機関(眼科)へご相談ください。

角膜の再生医療については、「再生医療ナビ」もご覧ください。