トップメッセージ

株主・投資家の皆さまへ

代表取締役

株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング
代表取締役 社長執行役員

畠賢一郎

日頃よりジャパン・ティッシュエンジニアリングをご支援いただき、誠にありがとうございます。

本年度の新経営体制

当社は、2023年6月14日開催の定時株主総会を経まして、株主の皆さまから新経営体制をご承認いただきました。新たに社外取締役を1名加え、独立社外取締役2名の体制を構築いたしました。コーポレートガバナンス・コードに則り少数株主の利益保護を十分に踏まえまして、より一層の経営体制強化を図るとともに、さらなる事業の発展を目指してまいります。

ジャスミンの承認

今年3月、当社にとりまして、5つ目の再生医療等製品でありますメラノサイト含有自家培養表皮ジャスミンの製造販売承認をいただくことができました。白斑でお困りの患者さんは多くおられると伺っております。従来の治療方法で治らない患者さんにとりまして、新しい選択肢となることと期待しております。ジャスミンは患者さんの白斑部分を取り除いて移植するという、手術手技を要するものです。担当する先生方と十分に連携し、素晴らしい医療をつくりあげたいと思っています。
これまで、熱傷治療、膝関節の治療、さらには角膜治療を通じて、救命救急の先生方、形成外科の先生方、整形外科の先生方、眼科の先生方と共同して進めてまいりましたが、この新しいジャスミンは皮膚科の先生方との連携が重要です。ジャスミンが皮膚科領域の新しい治療法の一つとして大切に育てていただけることを願っております。

CDMO事業(再生医療受託事業)の価値

再生医療等製品の原型となるものは、ほとんどが実医療を担当する先生方の発想に起因するものです。さらにこの技術シーズから再生医療等製品を生み出すには、その技術の製品特性の解析や量産適性の確保、パッケージのデザインや保存安定性の評価を行わなくてはなりません。さらには、これらすべてを規制当局と議論し、臨床試験を通じてその安全性や有効性を確保する必要があります。アイディアをお持ちの先生方から、新しい再生医療技術をお受けして、その後の製品化プロセスを着実に行うことがCDMOに課せられた役割です。当社では、すでに承認された5つの製品を持っています。医療技術から再生医療等製品を生み出す多くの経験を蓄積しています。委託される先生方の夢を叶えること、当社にとりましても、この事業を通じた再生医療領域の事業拡大をはかりたいと思っています。
本社のある蒲郡はもとより、国立がんセンター、三井不動産との連携拠点がある千葉県柏市、さらには米国Resilience社など、この事業を実施する仲間と場所は増えてきました。帝人と密に連携し、再生医療の発展に向けた本事業を進めていきたく思います。事業自体の収益性に加え、再生医療のさらなる普及に努めること。CDMO事業にはさまざまな価値が含まれています。

黒字化への道筋

当社は中期経営計画において2024年3月期に黒字化を達成することを目標としています。昨年は新型コロナウイルスの蔓延によって、医療機関の先生方が大きな困難に見舞われたのと同じく、当社でもさまざまな課題に直面しました。 その一方で、先のジャスミンのごとく開発投資を着実に進めるとともに、CDMO等を通じて社業発展の可能性を追求してまいりました。かかる状況下、本年度は計画通り黒字化を目指して努力してまいります。既存製品を着実にご提供するとともに、角膜領域の2製品の拡大、新製品であるジャスミンの適切な上市、さらにはCDMO事業の領域拡大を目指してまいります。新しい産業のリーディングカンパニーに相応しい成果を出していきたいと思っています。

多くの方々からの期待をうけて

本年度に入りまして 経済産業省から委託事業を受けました。 また、私自身も、再生医療イノベーションフォーラムならびに日本再生医療学会など、たくさんの方々との協働を進めてきました。当社への期待は高まっています。医療機関の先生方や患者さんはもとより、ともに頑張ってくださる企業の皆さん、アカデミアの先生方、行政の方々、それぞれのお立場の方々との交流が再開しました。本年度は、こうした連携が新しい事業機会を創出すると確信しております。

帝人との連携も着実に成果があがり始めています。この活動を通じて、当社のフィールドは広がってきました。技術交流も盛んに行っています。真の成果が得られるよう、ひたすら努力いたします。
引き続き、ご支援のほど、よろしく願いいたします。

2023年6月15日