コラム・トピックス

2023年06月01日【ピックアップ】

千葉県における自家培養軟骨移植術に関する多施設研究が関節軟骨治療の国際学会ICRS2023で発表されます

おゆみの中央病院 赤木 龍一郎 医師らによる自家培養軟骨移植術の術後成績に関する多施設共同研究

自家培養軟骨は、膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)の治療を目的として使用されており、2013年から保険適用されています。
赤木 龍一郎 医師らは、千葉県内のCaTCh study※1に所属している施設において自家培養軟骨移植術を行った83患者(そのうち男性41名)の術後成績の結果を報告しました。術前と比べ、自家培養軟骨移植後のLKS※2に改善が見られたとともに、術後1年のKOOS※3の結果もすべての項目において改善が見られ、術後3年のTAS※4の検討では、女性よりも男性の方が優位に改善したと報告されています。また、術前の罹病期間がより短い方が、術後成績が良好と報告されています。
この度、本演題が9月にバルセロナで開かれるICRS2023において発表されます。

※1 CaTCh(Cartilage Treatment in Chiba)study:自家培養軟骨の術後成績に関する千葉県内の自家培養軟骨施行認定施設による軟骨治療研究会(2017年4月発足、参加施設10施設 / 千葉県内「自家培養軟骨移植術」施行可能認定施設18施設 (2023年5月現在))
※2 LKS(Lysholm knee scale): スポーツあるいは職業の身体活動の程度を0から10までの11 段階で評価する方法
※3 KOOS(Knee injury and Osteoarthritis Outcome Score):主に膝疾患を対象とし、疼痛・症状・日常生活動作・スポーツおよびレクリエーション活動・QOL という5つの項目における患者の考えを42個の質問で評価する方法
※4 TAS(Tegner activity scale):跛行、杖の有無、ロッキング症状、疼痛、腫脹、不安定性、階段昇降及び膝の屈伸の8項目からなる膝関節機能の臨床評価法(100点満点)

学会: ICRS2023(International Cartilage Regeneration & Joint Preservation Society)
演題名: Outcomes after atelocollagen-assisted autologous chondrocyte implantation surgery: data from the CaTCh study
学会詳細: https://cartilage.org/icrs2023-world-congress-sitges/

当社は、今後もより多くの患者さんに自家培養軟骨をお届けできるよう、外傷に起因する二次性の変形性膝関節症への適応拡大へ向けて準備を進めています。
引き続き、既存製品のさらなる普及に加え、患者さんの生活の質(QOL)の向上に貢献していきます。

おゆみの中央病院のホームページ:

https://oyumino-central.jp/department/orthopedics/sports/

自家培養軟骨移植術の特徴(再生医療ナビ):

https://saisei-navi.com/hiza/cartilage_treatment/feature/