保険適用の治療:重症熱傷の治療

自家培養表皮による重症熱傷の治療は、2009年1月1日より保険適用となっています。

重症熱傷とは

熱傷(ねっしょう)とはやけどのことです。

人間の皮膚は大きく3層に分かれています。表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」です。真皮下層まで損傷する「深達性 II 度熱傷」および皮下組織まで損傷する「Ⅲ度熱傷」の深いやけどは自然治癒が難しく手術が必要となります。既存の治療法として植皮術(患者さまの健康な皮膚を移植する手術)がありますが、大きな深いやけどの場合では皮膚が不足してしまい治療が困難です。そこで、患者さまの細胞を増やして移植する「自家培養表皮」は、広範囲の深いやけどであっても治療が可能になります。
体表面積 30%以上の深いやけどを負った患者さまの健康な皮膚を培養した「自家培養表皮」を、やけどを負った場所に移植します。患部の皮膚を整えた後に貼っていくものになります。

Q&A よくある質問

自家培養表皮による治療に保険はききますか?
自家培養表皮は、2009年1月1日より重症熱傷治療向けに保険適用となっています。
自家培養表皮は、軽いやけどや、やけど痕の治療にも使用できますか?
自家培養表皮による熱傷治療の適応対象(対象となる患者さま)は、「自家植皮のための恵皮面積が確保できない重篤な広範囲熱傷で、かつ、受傷面積として深達性Ⅱ度熱傷創及びⅢ度熱傷創の合計面積が体表面積の30%以上の熱傷」と定められています。

皮膚の再生医療については、「再生医療ナビ」もご覧ください。