「皮膚」領域

「皮膚」の再生医療

「転んでひざをすりむいた」「包丁で指先を切ってしまった」など、誰もが一度は経験したことがある小さな皮膚のケガ。ほとんどの場合は、数日で治ってしまいます。皮膚は人体の中で、再生能力がとても高い部分と言われています。しかし、大きなケガややけどなどで「皮膚が大きく失われてしまう」と、自分の再生能力では足りずに、命に関わることになります。
では、皮膚が大きく失われてしまった場合はどういった処置をすればいいのでしょうか。それは、皮膚の代わりに動物の皮膚や他人の皮膚などで覆うことです。しかし動物や他人の皮膚は、最終的には体内で異物と判断され、拒否反応が起きてしまうため、自分の皮膚を用いることが最適です。しかし、皮膚が広範囲にわたって失われた場合、移植するために十分な面積の正常皮膚が得られないことがあります。
そこで、正常な皮膚から増殖能力が優れた表皮細胞を取り出して人工的に培養し、皮膚のようにシート状にしたものを受傷部位に移植する培養表皮移植の技術が開発されました。培養表皮を受傷部位に移植することによって、水分の保持や感染防御といったバリアとして機能する表皮を再生することができます。

皮膚の再生医療については、「再生医療ナビ」もご覧ください。