コラム・トピックス

2021年11月22日【再生医療★インサイド】

再生医療に興味をもっていただけますか

再生医療★インサイド 畠 賢一郎
 

私たちは病気になったら薬を飲みます。私自身はとても苦手ですが、お医者様に注射していただくこともあるでしょう。手術が必要になることもあります。
これとは反対に、今の医療では治らないとされている病気はどんなものでしょうか。多くの「がん」も根治が期待できるようになってきましたが、急激に進行するものや発見が遅くなって転移した場合には、治すのは容易でありません。メタボなど生活習慣病も簡単には治らなさそうです。対処しないと悪くなっていく一方です。そういう意味では、年齢とともに体にガタが来るような変化も、治らない疾患なのかもしれません。総じて長時間にわたって悪くなっていくような病気、いわゆる慢性疾患は今の医学では対処が難しいのではないでしょうか。
一方、交通事故で脊髄を損傷してしまった方、大やけどで皮膚を失ってしまった方など、外傷によって体にダメージを受けた場合でも治療に難儀をする可能性があります。さらに、直接的な原因は慢性的な疾患であることが多いのですが、生活習慣病で肝臓や腎臓などの臓器がダメになってしまうこともあります。その場合、ほかの人からの臓器移植というのも考えられますが、長期間免疫抑制剤を使う必要があります。必ずしも治ったとは言えません。さらに、生まれつき重い疾患をお持ちのお子様の多くが、やはり現代の医学では対応できず、新しい治療法の開発をお待ちです。
さて、私たちはこういった患者様に対して何ができるのでしょうか。
今、私たちは、「再生医療」という技術をつかって、これらの患者様に対してできることを増やしていければと思っています。「再生」という日本語は、何かしら新しく生まれ変わるようなポジティブな印象を受ける言葉ですよね。そこで、再生医療とは何で、それが今どのようになっているのか、どんな患者様の治療ができるのか、再生医療を進めていくうえでの課題や、そもそも医療は将来どんなふうに発展していくのかなど、この場をつかって皆様といろいろ考えてみたいと思っています。
再生医療は未来の医療の扉をノックしています。いろいろな場面で、皆様との対話ができることを願っています。
この再生医療に興味をもっていただけますか?

2021年11月22日