2024年12月06日【ピックアップ】
自家培養軟骨移植術 使用成績調査 解析結果の続報を発表
当社は自家培養軟骨の製造販売承認取得以来、7年間にわたって全症例を対象とする使用成績調査を実施しました。その結果をとりまとめ、2019年10月に再審査申請した結果、厚生労働省より承認時の安全性、有効性が改めて確認され、【効能、効果又は性能】に変更なく2022年6月に承認されています。
先日、上記の使用成績調査結果を外部の専門家からなる第三者委員会(内尾祐司先生・島根大学、黒田良祐先生・神戸大学、二木康夫先生・藤田医科大学東京、石橋恭之先生・弘前大学)にて解析した結果が、権威あるThe American Journal of Sports Medicineに掲載されましたが、今回は、その続報となる解析結果が第2回日本膝関節学会において発表されました。
2019年に患者さんへの更なる侵襲低減を目的として、移植部を覆う方法を、患者さんの脛骨から採取する骨膜から人工コラーゲン膜に変更した結果、臨床成績にどのような影響があったかを解析したものです。
結果の概要は以下の通りでした。
概要
解析対象: | 移植後2年間の追跡が可能であった645患者 662膝(うちコラーゲン膜群は101膝)、平均年齢41.6歳、 平均軟骨欠損サイズ6.6㎝² |
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評価方法: | 安全性の指標として有害事象(移植片離層、移植部肥大、可動域低下、骨化、関節液貯留)の発生数、 有効性の指標としてLKS(Lysholm Knee Scoring Scale:主観的膝関節機能評価)と KOOS(Knee Injury and Osteoarthritis Outcome Score:患者立脚型評価)の改善の程度を 移植後6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月時点でコラーゲン膜群と骨膜群で比較。 |
結果: | コラーゲン膜群と骨膜群で有効性の指標であるLKSとKOOSに有意な差はなかったが、 有害事象発生率はコラーゲン膜で有意に低かった。 |
結語: | 膝関節の大きな軟骨欠損に対する自家培養軟骨移植術について、移植後2年の追跡調査においては、 コラーゲン膜による被覆は骨膜を用いる場合と比較して臨床的により良い影響を与えることが示された。 |
当社では、より広い患者さんの膝治療に貢献すべく、上記疾患に加え、自家培養軟骨の変形性膝関節症を対象とした治験を実施し、
2024年6月に一部変更承認申請書を厚生労働省に提出しました。2026年3月期の上市を目標としています。
当社は、今後もより多くの患者さんに自家培養軟骨をお届けできるよう、変形性膝関節症への適応拡大を目指すとともに、
引き続き、既存製品のさらなる普及に加え、患者さんの生活の質(QOL)の向上に貢献していきます。
参考リンク:
自家培養軟骨 7年間にわたる全例の使用成績調査データの分析結果を公表