コラム・トピックス

2025年01月15日【再生医療★インサイド】

再生医療のCDMO

畠社長

 当社の事業には「再生医療製品受託事業」があります。医薬の領域では、CRO(開発業務受託)やCMO(製造受託)などがありますが、近年では抗体医薬などの複雑な製品開発が必要なものをCDMO(開発製造受託)と呼び、開発から生産までを一貫して受託する事業を指します。生産には開発要素が欠かせないため、より生産適性を高めた製品を開発することが前提となります。このため、開発と生産を一体化したネーミングが用いられているのです。

 当社はこれまで、再生医療製品のCDMO事業を推進してきました。アカデミアの先生方やベンチャー企業からの技術シーズを受け入れ、再生医療製品として上市するための「再生医療等製品のつくり込み」を行ってきました。細胞を使った製品は、従来の低分子化合物とは異なり、「同じもの」と判断するのが容易ではありません。さらに、製品が生きているため、作り方や使用する材料が少し違うだけで、完成品が大きく異なる可能性があります。いかに安定的に製造し、これらを正しく評価できるかが重要です。さらに、提供を始めてから気づくことも多々あります。はじめからこうしたことを含めて、製品仕様を決めておくことも大切です。私たちは、これまでに3000例以上の患者さんに細胞を扱った製品を提供してきました。その技術とノウハウは、CDMO事業を進めるうえで大いに役立つと考えています。

 先日、VCCT社(代表 髙橋政代先生)への出資についてご紹介しました。また、髙橋先生の確立された技術を社会実装するために、「製品のつくり込み」をお手伝いすることにも言及しました。iPS細胞を用いた再生医療は、わが国発の素晴らしい技術です。これまで培ってきた私たちの技術が、わが国の再生医療の発展に少しでも貢献できることを願っています。

2025年1月15日