製品概要
承認年月日 | 2023年3月17日 |
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一般的名称 | メラノサイト含有ヒト(自己)表皮由来細胞シート |
販売名 | ジャスミン |
メラノサイト含有自家培養表皮ジャスミンは、患者さん自身の皮膚組織を採取し、分離した細胞とメラノサイト(色素細胞)を培養して製造された自家培養表皮であり、株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリングの技術によって生産管理された製品です。
米国Howard Green教授らが確立した特殊な細胞(3T3-J2細胞)を使った培養方法を用いて、メラノサイト(色素細胞)が保持されるように培養した表皮細胞シートです。
ジャスミンの製造工程では、組織の受け入れ検査、工程検査、出荷検査、確認検査など、製品としての安全性・有効性を担保する規格を設定し、厳密な品質管理を行っています。
ジャスミンは、患者さんからおあずかりした細胞を培養してつくられているため、お引き受けしてから製造を開始する完全なオーダーメイドの製品です。治療にあたっては、患者さん、治療にあたる先生方と、製造業者(当社)との間で十分な連携が不可欠です。
メラノサイト含有自家培養表皮ジャスミンの添付文書は独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページ(再生医療等製品添付文書)にてご覧いただけます。
適応対象
非外科的治療が無効又は適応とならない白斑
〈使用上の注意〉
- 12ヶ月程度症状が固定した尋常性白斑、vogt-小柳-原田病若しくは化学物質による完全脱色素斑、又はまだら症などの先天性異常による完全脱色素斑に対して本品を使用すること。
- 臨床試験に組み入れられた患者の背景(白斑の状態等)及び本品移植後の成績について、添付文書の【臨床成績】の項の内容を熟知し、本品の作用機序、有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
承認条件
本品は下記のとおり承認条件が付いております。
- 治験症例が極めて限られていることから、原則として再審査期間が終了するまでの間、全症例を対象に使用の成績に関する調査を実施することにより、本品使用患者の背景情報を把握するとともに、本品の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本品の適正使用に必要な措置を講ずること。
- 本品の製造過程にフィーダー細胞として用いられているマウス胎児由来3T3-J2 細胞にかかる異種移植に伴うリスクを踏まえ、最終製品のサンプル及び使用に関する記録を30 年間保存するなど適切な取扱いが行われるよう必要な措置を講ずること。
保険適用
メラノサイト含有自家培養表皮ジャスミンは、非外科的治療が無効又は適応とならない白斑を対象として2024年10月1日より保険収載されました。保険算定に関する留意事項が付与されています。
保険償還価格
- 採取・培養キット:4,460,000円
- 調製・移植キット:154,000円 /枚
保険算定に関する留意事項
- 非外科的治療が無効又は適応とならない白斑患者のうち、12 歳以上の患者に対して使用した場合に限り算定できる。
- 調製・移植キットについては、非外科的治療が無効又は適応とならない白斑を切除した後の創部に対して、創閉鎖を目的として使用した場合に、原則として一連の治療計画につき40 枚を限度として算定する。ただし、医学的に必要な場合は、その理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載した上で 50 枚を限度として算定できる。
- 関連学会が定める適正使用指針に従って使用した場合に限り算定できる。
- 次のいずれにも該当する医師が術者として使用した場合に限り算定する。
- 皮膚科又は形成外科の経験を5年以上有していること。
- 「K014」皮膚移植術(生体・培養)を術者として「3例」以上実施した経験を有する常勤の医師又は「K014」皮膚移植術(生体・培養)を術者として「3例」以上実施した経験を有する医師の指導下で当該手術を実施する常勤の医師であること。
- 自家培養表皮(非外科的治療が無効又は適応とならない白斑に対し使用する場合)を使用することについて、医療上の必要性及び合併症等について患者に説明し、説明した内容を診療録に記載するとともに、説明を行った旨を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
- 採取・培養キットについては、一連の治療計画の初回治療月に1回に限り算定できる。
- 診療報酬明細書の摘要欄に、非外科的治療が無効又は適応とならないと判断し、かつ、自家培養表皮(非外科的治療が無効又は適応とならない白斑に対し使用する場合)の適応となると判断した医学的理由を詳細に記載すること。また、複数回に分けて治療することが予定されている場合は、一連の治療計画の内容として以下の事項を摘要欄にあわせて記載すること。
- 治療開始年月及び治療終了予定年月
- 治療間隔(日数)及び治療回数
- 一連の治療において使用することを計画している枚数
製造販売後調査等
実施状況
使用成績調査 | 実施中 調査登録期間:2023年3月17日~2029年2月19日 |
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製造販売後臨床試験 | 非実施 |
有害事象・不具合情報
再審査期間中使用成績等定期報告
準備中です。
<参考>再生医療等製品不具合・感染症症例報告等の実施状況
再生医療等製品不具合・感染症症例報告は、医薬品医療機器等法(改正薬事法)により定められた製品の不具合及び副作用が疑われる症例を広く報告する制度です。よって、製品或いは関連する医療行為と報告対象との間に因果関係があると判断された上で行われているということを意味するものではありません。
準備中です。