自家培養表皮ジェイス

製品概要

承認年月日 2007年10月29日
一般的名称 ヒト(自己)表皮由来細胞シート
販売名 ジェイス

自家培養表皮 ジェイス®は、米国H.Green教授らの方法に準じて製造された自家培養表皮であり、株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリングの技術によって生産管理された製品です。Green教授らの報告で用いられている3T3細胞と由来を同じくする細胞を用い、患者さまご自身の表皮細胞をシート状に培養しました。

ジェイス®の製造工程では、組織の受け入れ検査、工程検査、出荷検査、確認検査など、製品としての安全性・有効性を担保する規格を設定し、厳密な品質管理を行っています。
ジェイス®は、患者さまからおあずかりした細胞を培養してつくられているため、お引き受けしてから製造を開始する完全なオーダーメイドの製品です。治療にあたっては、患者さま、治療にあたる先生方と、製造業者(当社)との間で十分な連携が不可欠です。

自家培養表皮ジェイス®の添付文書は独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページ(再生医療等製品添付文書)にてご覧いただけます。

適応対象

培養表皮とは

表皮細胞の培養は1975年にHoward Greenらによって初めて報告され、数cm2の皮膚組織から大量の培養表皮を得ることが示されました1)。自家培養表皮は、表皮細胞を安定的に増やすため、マウス由来の3T3細胞をフィーダーとして用います。培養表皮の最大の特徴は、培養された表皮細胞がシート状の構造物として得られることです。

培養表皮の作製法の概略図

1981年、米国において自家培養表皮の臨床応用がはじめて報告され2)、1984年には受傷面積が95%以上の広範囲熱傷患者に適用されました3)
移植された自家培養表皮は、通常、1週間程度で生着し、基底層から有棘層、顆粒層及び角質層に至る表皮の形態が認められます。3〜4週で基底膜が完成します。移植してから1年後には真皮と表皮の境界に緩やかな波状の表皮突起が形成され、2〜5年以内に正常皮膚の形態に似た複雑な表皮突起が構築されると言われています。4,5)
重症熱傷に対して適用した場合にも同様の経過をたどることが報告されています6)

図:培養表皮の作製法の概略図

自家培養表皮の移植後の経過

図:自家培養表皮の移植後の経過

参考文献

  1. 1) Rheinwald JG, Green H: Serial cultivation of strains of human epidermal keratinocytes: the formation of keratinizing colonies from single cells.Cell 6, 331-344 (1975)
  2. 2) O'Connor NE, Mulliken JB, Banks-Schlegel S et al: Grafting of burns with cultured epithelium prepared from autologous epidermal cells. Lancet 1 (8211), 75-78 (1981)
  3. 3) Gallico GG III, O'Connor NE, Compton CC et al: Permanent coverage of large burn wounds with autologous cultured human epithelium. N Engl J Med 311, 448-451 (1984)
  4. 4) Green H: Cultured cells for the treatment of disease. Sci Am. 265,96-102 (1991)
  5. 5) 熊谷憲夫:皮膚の再生:自家培養表皮移植による皮膚の再生.BIO Clinica 13,48-52 (1998)
  6. 6) 松崎恭一,熊谷憲夫,福士信哉 他:同種皮膚・自家培養表皮移植による広範囲熱傷患者の治療;治療4年後の移植部の検討.形成外科 38, 193-200 (1995)

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